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産経新聞社アピール 2004年3月26日 |
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政府は反省し、主権守るため行動を
三月十一日、日本固有の領土でありながら韓国に不法占拠されている竹島へ本籍地を移した。正式な本籍地名は「島根県隠岐郡五箇村官有地無番地」。竹島の領有権、漁業権の問題に取り組んできた一人の日本人として、まずは行動で示す必要があると考えたからだ。
竹島は昭和二十七年(一九五二年)に李承晩韓国大統領(当時)が海洋主権宣言と称して「李承晩ライン」を一方的に引いて以来、今なお韓国に不法占拠(一九五四年から「警備隊」を常駐)されている。
日本には、北方領土、竹島、尖閣諸島という領土問題が存在する。日露外交の焦点となっている北方領土、日本が実効支配を保っている尖閣諸島に比べ、竹島に関する日本政府の対韓姿勢はあまりにも弱腰すぎるのではないか。
今年に入っての韓国の「竹島切手」発行への日本政府の抗議はいかにも腰のひけたものだった。それどころか、韓国に対抗して、元東京学芸大学助教授の殿岡昭郎氏らが「竹島切手」発行の申請を郵政公社に行ったところ、「外交上問題がある」と発行を拒否されている。
竹島は、歴史的にも国際法的にも、まぎれもない日本固有の領土だ。郵政公社が発行拒否できる理由がどこにあるのか。
同じ領土問題でも、イギリスの対応は日本と対照的だ。アルゼンチン軍が一九八二年、南大西洋上の英領フォークランド諸島を占領した際、サッチャー英首相(当時)は羊しか住んでいないような同諸島へ、航空母艦を含む百隻の艦隊、兵二万五千を派遣し、領土を奪い返した。
領土の価値は面積の大小や資源の有無だけで決まるものではない。自国の領土が奪われた場合には、どんなものであっても相手の不法行為を許さず、速やかに奪還するという英国民の姿勢と英国政治のリーダーシップを教えてくれた出来事だった。
日本政府は韓国と正面から向き合うのを避け、竹島の領有権問題を事実上放置している。日韓関係の一時の緊張、悪化を避け続ける限り、韓国による日本領土の侵略という問題の解決はない。
日本政府の物言わぬ外交姿勢、事なかれ主義が、日韓関係を根元から歪めていることを日本政府は反省し、主権を守るため行動すべきである。
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